玉川旅館
正式名称は「割烹旅館・玉川」。
船橋市役所から北西に100mほどの場所にある由緒正しい温泉旅館です。
創業は大正10年。
国の登録有形文化財として登録されています。
当時の写真を見ると、玉川旅館の眼前には遠浅の海が広がっていたことが伺えます。
市役所のあたりはちょうど波打ち際かな。
旅館内に「湊温泉」があり、船橋市で唯一の温泉法上の温泉(メタ珪酸・メタ硼酸含有)です。
市内でラジウム鉱泉はよく見かけますが、玉川旅館は本物の温泉。
効能は慢性関節リュウマチ・慢性筋肉リュウマチ・神経痛・神経炎・外傷性障害及び関節等の障害・疲労回復。
ここが案内板の当時の写真にも写っている正面玄関。
扉といい看板といい軒といい、風情があります。
昭和10年7月1日に船橋へ転居した太宰治。
11年10月12日までの1年と少々、船橋市宮本1丁目で借家生活を送っています。
その自宅から歩いて15分ほどの玉川旅館にやってきて、20日余り「桔梗の間」に篭り、小説「ダス・ゲマイネ」「虚構の春」「狂言の神」を書いていたそうです。
でも宿代が払えず、辞書や本、万年筆などを肩代りに置いていったとか。
そんな歴史に思いを馳せてみるのも一興です。
※ 写真は2010年8月に撮影したものです。
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最近コロナの影響があって閉業したそうです。
建物や温泉がどうなるのか 完全に埋められてマンションにでもなってしまうのか全く不明ではあります。
帰ってきた船橋市民さん、こんにちは。
ワタクシも広報ふなばしで知りまして、残念な思いです。
隠居生活に入ったら泊まりにいこうか、なんて嫁さんと話していたことが思い出されます。